『よいこの君主論』の感想。『君主論』の内容を小学生のクラス勢力争いに当てはめたおもしろ解説書

みっきい(@iwtpg)です。
最近は面白そうだなと思った本はパッと買ってパッと読むっていうのにチャレンジしてまして、そんな中で見たのがけんすうさんのこのツイート。

『君主論』は名前しか知らないんですけど、表紙もポップだし試しに読んでみるかって感じで、この『よいこの君主論』を買ってみました。
『君主論』は手段を選ばずに君主として君臨する方法が描かれた本みたいな感じらしいんですけど、この『よいこの君主論』は主人公ひろしくんの謀略だったり権威を見せ付けつつも、最後はみんながハッピーになるいい本だなと思いました。

君主として立ち回るにはときには恐怖を使う必要もありますけど、最終的には覇権争いでみんなが幸せになるという目的があるのかなと思いました。

小学生のクラスの覇権争い

みなさんの小学生時代はどんな感じだったでしょうか?いじめっ子グループだったり、運動ができる子グループだったり、発言力の強い女子グループだったりがあったと思います。

この本はそんなグループ同士が派閥争いをしながらクラスのグループを統一すべく、主人公ひろしくんをはじめとした子ども達が覇権争いをする物語です。

その覇権争いのやりとりで『君主論』の内容が使われています。

「駄菓子屋」「遠足」「缶けり」「運動会」での勢力争い

小学生と言えば遠足や運動会、夏休みと行ったイベント。そして駄菓子屋に行ったり公園での缶蹴りなどの遊びです。

そういう小学生の日常を使いつつ「籠城」「傭兵」「援軍」などといった軍事的な話に当てはめて、小学生の権力争いと『君主論』の解説をまとめてしまっているんですね。

クラスが40人もいるので巻頭にある子ども達の一覧表を見ながらじゃないとパッと各キャラクターが掴み辛いところはありますが、各キャラごとに長所や短所も設定されていて、それぞれ君主に向いている人もいれば右腕になりそうな人とか、はたまた有象無象になる子ども達とか色々いて読み進めるほどに面白くなってきます。

「慕われるより怖れられろ」「憎まれ役は他に押し付けろ」

最近では愛されるリーダーの本だとか、部下は叱るよりも尊敬を持って接しろとかそういう本が多いんですけど、この本は君主として組織のトップに立つためにかなり冷酷は話も書かれています。

「慕われるより怖れられろ」「憎まれ役は他に押し付けろ」など、ワンマン社長にありがちな怖さだったり強みだったりで組織をまとめる方法が書かれてたりします。

小学生がまじでこういう視点でクラスの覇権争いしてたらびっくりしますけどね。

なので小学生向けっぽい表紙ではありますけど、あくまで大人向けの本だけど小学生をテーマにして「君主論」を読みやすくしたっていうのがしっくりくる本だと思います。

そもそも君主になりたいかという話

『君主論』は1532年に書かれた本で「自己の武力と能力とで獲得した新しい君主権について」「軍隊の種類と傭兵について」「残酷さと慈悲深さとについて、敬愛されるのと恐れられるのとではどちらがよいか」などなど、イタリア統一への願いを込められた本です。

著者のマキャベリはイタリア統一でみんなが幸せになることを求めていたのかもしれませんが、内容が冷酷で過激なところもあって禁書として扱われることになりました。

確かにこの本を読むと、君主になるにはその人の力量と一緒に冷酷さ、シビアさっていうのが必要になってくるなと感じます。

1532年と現代では状況は違うかもしれませんが、大きい組織で自分の目が届かない人数を統率するにはそういうものも必要になってくるのかなとも思います。

この『よいこの君主論』みたいに最後にみんながハッピーになれば、時にはみんなを導くための覚悟を持つ必要もあるかなと感じました。が、いまはまだぼくにはいいかな…


よいこの君主論 (ちくま文庫) Kindle版架神恭介 (著), 辰巳一世 (著)

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