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はじめて友達とだけでゲーセンに行った日と、そのゲーセンの今

僕がはじめてゲーセンに子どもだけで行ったのが小学生のころ。
スト2の新作「スーパーストリートファイター2」が出たと聞いて、本当ならよく行く駄菓子屋に入荷されるまで待つんだけど、どうしても待てなくて仲の良い友達とゲーセンに向かうことにした。

当時のゲーセンと言うのはすごく薄暗くて、小学生で行けばカツアゲされてもおかしくない雰囲気があった。
なので父親と映画に行った帰りとかに1プレー2プレーだけさせて貰うみたいな感じだった。

そのスパ2目的で友達と行ったゲーセンは、薄暗くて危ない雰囲気がぜんぜんないゲーセンだった。
繁華街ではなく、町外れのビルの2階にあって入り口も中も明るくて入りやすい。
いま思うと飲食店かなにかの居抜きで、アーケード筐体を置いたお店だったのかなと思う。

お店はこじんまりとしていたけど明るくて、店長さんが座っているカウンターからは全体を見通せる感じだった。
ほんとうにゲームが好きな人が集まる場所って感じで、危なさも感じなかったしケンカ的なものは一度も見なかったと思う。


そのお店がおもしろかったのが、開店前に並んでおくと好きなゲームに9クレジット入れてくれたことだ。
※ゲーム筐体には最大9クレジットしか入らなかった。
お店はお昼に開くんだけど店長はよく遅刻していて、まだかまだかとみんな店長が店に着くのを待っていた。

やっぱり目当てはみんな格ゲー。
その9クレジット分、みんながガッツリ対戦して店内は盛り上がっていた。


おこづかいが少ない友達はその9クレジットだけをプレーして帰っていったけど、僕はそこでたくさんの対戦をした。
それまで駄菓子屋の小さい筐体ばっかりだった僕は、はじめて向かい合って対戦するという経験をした。

隣り合わせで対戦するタイプだと、正直知らない人と対戦する気にはならない。
向かい合って対戦するタイプだと、見知らぬ人にも対戦を挑みやすい。

CPU戦相手だと波動拳の連発や、CPU相手のハメ技みたいなのでクリアしていたけど人との対戦は全然違った。
人それぞれプレースタイルが違うし、同じパターンで戦っても少しずつ対策される。
小学生だったぼくは「研究」なんて考えはまだまだ弱かったけど、人と対戦して勝ちたいんだったらあたらしい戦い方とか自分の得意な技とか見つけないとダメなんだと思った。


この記事を書きながら「このゲーセンいまはどうなってるんだろう」と思ってgoogleマップで調べてみた。
大まかな場所だけは覚えてたので、googleストリートビューでそのゲーセンがあった建物を探してみた。

あった。

でももうゲーセンじゃなかった。
焼肉屋に代わってた。

小中学生のころによく行ったゲーセン。
次第にプレーするゲームも変わってきて、いつしか足が遠くなり、どこかのタイミングで閉店したようだ。

もうお店の名前も忘れたから検索できないし、もし検索してもそのお店の話をしている人がいるかはわからない。
だから最後はどんな終り方になったのは分からない。

でも、その焼肉屋さん一度食べに行ってみようかなと思った。
食べログを見たら内装も全然違うけど、同じ建物には違いないし、焼肉を食べながら嫁と当時の話でもしようかなと思う。

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