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【失恋ショコラティエ】「憧れの人は憧れのままじゃ出会ってないのと同じよ。本当にその人が好きならその人の内面に踏み込むくらい深い付き合いをしなさい」

失恋ショコラティエのドラマ版だけの六道のセリフなんだけど、この言葉がすごく好き。

「憧れの人は憧れのままじゃ出会ってないのと同じよ。本当にその人が好きならその人の内面に踏み込むくらい深い付き合いをしなさい」

この言葉を言った六道はオネエなんだけど、六道の下で働く関谷(男)が主人公爽太(男)のことを好きだと勝手に勘違いして言ったセリフ。
オネエの勘違いっていうコミカルなシーンなんだけど、六道自身は真剣に言ってるのがすごい面白い。

憧れの人に近づく勇気

このシーンは「憧れの人=恋心を持つ人」という意味で使っているが、恋愛以外でも「憧れの人」っていうのは誰しもいるはず。
そして「憧れ」まで行くとなかなか近寄りがたい。

自分みたいな人間が近寄ってもいいのかな。
失礼にならないかな。
もっと自分が成長してから声を掛けたほうがいいのかな。

いろんなことが頭によぎるけれども、この六道の言葉どおりリスペクトを持って相手に踏み込むと、自分にとって大きなプラスになる。

憧れのバリスタ

そもそも僕はあんまり人と付き合うのが得意じゃなかった。
人に深く入り込んでいったときに、たぶん誰しも思うことだけど、嫌われてしまうのが怖かったから。

ある日、とあるカフェですごいバリスタを見つけた。
他のバリスタよりもコーヒーが旨い。
なぜ旨いか分からないけど同じ豆、同じエスプレッソマシーンで淹れてもその人のカフェラテはめちゃくちゃ旨い。

言葉遣いもきれいで、身なりもきっちりしていて、何より視野の広さと心配りがすごかった。

お客さんがちょっと困っていればすぐに気付く。
後輩のフォローは早い。
字はきれいで読みやすく、外国人のお客さんが着たら普通に英語で対応する。

理想のバリスタとはこういう人のことを言うんじゃないかと僕は思った。
きっとコーヒーを淹れるときも、僕が想像しない様々な気配りだったり、細かいちょっとした動きやタイミングの差で味が大きく変わってしまうんだと思う。
この人だから旨いんだと思う。

僕はこの人に憧れを持った。
でも「嫌われてしまうのが怖かった」ので深く話しかけることはできなかった。

内面に踏み込むくらい深い付き合い

そんな時に出会ったのが、最初に書いていた六道の言葉だ。

「憧れの人は憧れのままじゃ出会ってないのと同じよ。本当にその人が好きならその人の内面に踏み込むくらい深い付き合いをしなさい」

ドラマを見ていてピーンときた。
僕がここでしっかり話しかけないと「出会ってないのと同じ」になる。
それはダメだと思った。

それから僕はその人に積極的に近づこうとした。
話しかけるだけじゃなくて、その人の持ってる魅力を僕が持つにはどうしたらいいかを考えた。

尊敬を持って真似をする

最初にやったのはコーヒーの勉強だった。
コーヒーを通じてその人を知ろうとした。
平日でも休みの日でもコーヒーを飲み、自分で淹れて、分からないことは聞いた。
聞けば聞くほどその人のコーヒーの知識の深さというか、知識よりもコーヒーに対するリスペクトの深さを感じた。

僕は字がめちゃくちゃ汚かったんだけど、それは読み手のことを考えてない字だと思って字の練習を始めた。
本屋に売ってるペン字の本からはじまり、ペン字の教室にも行ってみた。
その人に字がきれいですねって話をしたら「実は書道の師範の資格を持ってて~」って返された。
何者だこの人。

身だしなみは、ひとまず今までやってなかったシャツにアイロンをしっかり掛けるとか、清潔感を今までよりも意識した。
その人に「いつもシャツすごいピーンとしてて凄いですね」って聞いたら、シャツに使うお勧めのアイロンのりの話をしてくれた。
のりまで研究してんのか。


その他にもたくさんのことを聞いて、たくさんのことを真似させてもらった。
六道の言葉をたまたま聞いてなかったら、この人に深く入っていくことはなかったと思う。

今はそのカフェを辞めてしまったので会えなくなってしまったんだけど、今でも僕はその人を憧れているし、次に会ったときは「僕めっちゃ成長したでしょ」って言えるように今でもいろんなことに挑戦してる。

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