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【オクトパストラベラー】盗賊のテリオンや復讐劇のプリムロゼ。闇を感じる彼らに魅力を感じるのはなぜか

オクトパストラベラーでは「正道」と「邪道」という要素がある。

例えば町人からアイテムを得る手段。
トレサの「買取る」はお金を払って得る正道なコマンドなのに対し、テリオンは「盗む」という邪道なコマンドでアイテムを奪う。

またプリムロゼの話は父親の復讐劇。
自らの美貌を武器に男に取り入りながら情報収集するというニンテンドースイッチのゲームとは思えぬなかなかの大人の物語だ。

テリオンの盗みも、プリムロゼの復讐劇も闇を感じる黒い内容。
なのに僕たちプレイヤーはそういうキャラクターや物語に魅力を感じてしまう。

人は情報が多すぎると説得力を感じなくなる

こんな話を知っているだろうか。

裁判で被告だけの話を聞いたグループA、原告だけの話を聞いたグループB、両方の話を聞いたグループCの3グループに分ける。
するとグループAとグループBの、片方だけ話を聞いたグループのほうが自分の判断に自信を持っていた。
一方、両方を話を聞いたグループCはより多くの情報を得ていたのに自分の判断には自信を持てなかった。

つまり両方から話を聞いたグループCは、情報量が多くなるため自分の判断に自信を持てなくなってしまった。
グループAとBは片方の話しか聞いていないため、話に矛盾がなく一貫しているので自分の判断が正しいと自信を持ってしまう。

※ちなみにこの話は『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』という本に詳しく載っているのでぜひ読んで欲しい。

偏った話でも矛盾無く一貫していると説得力と魅力を感じる

偏った話でも矛盾無く一貫していると説得力と魅力を感じる

つまり、人は偏っていても情報が一貫していたほうが説得力や魅力を感じるという事だ。
もしその人が悪いことをしていたとしても、悪いことを受けている側の話を聞かなければ魅力を感じる。

テリオンは「盗む」という行為も、テリオンの過去に何かあったと思ってしまう。
世間的な善悪ではなく、悪行であってもテリオンとしてはなんらかの目的があり、プレイヤーは心の中で正当化してしまう。

プリムロゼの復讐劇は、幼いころに目の前で父親が殺されることからはじまる。
復讐という行動が善行とは言えない。
でも愛する人が殺されるという悲劇を聞けば、プリムロゼの行動に説得力と魅力を感じてしまう。
プリムロゼの話に矛盾が無く一貫しているからだ。

闇を感じる偏った世界の魅力

闇を感じる偏った世界の魅力

テリオンの「盗む」によって困っている人がいるかもしれないが、そんなことを考えてはいけない。

プリムロゼの復讐劇があらたな火種を生み出すかもしれないが、そんなことを考えてはいけない。

偏った世界と分かっていても、悪意ある行動と分かっていても、一貫した行動をもつキャラクターに魅力を感じてしまうのだから。

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